如何お過ごしですか? 3回連続10cmです。
当ブログにお越しいただきありがとうございます。
いつも本当にありがとうございます。
地味な土木小ネタシリーズ。
今回はクレーンの能力のことを簡単に説明します。
クレーン。
みなさま。クレーンってご存知ですか?
そうです、重たーい資材などを吊って、ウイーンって遠くへ移動させるアレです。
こんなやつね。
https://www.tadano.co.jp/products/rc/gr-600n/index.html
時々街中で走ってるのを見かけたことがある方もいらっしゃると思います。
クレーンと言っても吊る物の重さによって色々あります。
吊る物が軽いなら小さいクレーン。重いならでっかいクレーンが必要になります。
当然でっかいクレーンはクレーン自体が重すぎて公道を走れません。
クレーン自体を分解してパーツ毎に分けて運んで、現地で組み立てます。
今回は公道を走れる、比較的一般的な大きさの60トン吊り『ラフテレーンクレーン』というやつです。
一応、60トンもの荷物を吊って移動させることが出来ます。
60トン吊りとは言いながら。
上の二つの図を見ていただくと分かると思いますが、
同じ重さの物を吊るとしても右図のブームが寝ている方が、クレーンにとって厳しい状態なのです。
両手を真上に上げて4リットル入りの焼酎のパックを持って静止するのと、両手を前に水平に出して4リットル入りの焼酎のパックを持って静止するのを比べたら、前に出して水平の方が肩に負担がかかると思います。
それと同じ理屈です。
60トン吊れると謳っているのに、すべての状態で60トンの物が吊れるわけではありません。
最大が60トンという意味です。
ブームが水平に近くなる(焼酎の手が水平な状態)=作業半径が大きくなると軽い物しか吊れません。
60トン吊りクレーンの能力表。
左の端の欄が作業半径です。
作業半径とは、クレーンを中心とする平面的な円の半径ということです。
60トン吊りのクレーンというのは最大で60トンの物が吊れますが、作業半径はわずかに1.8mです。
クレーン自体のボディが邪魔になってほぼ移動できないと考えていいでしょう。
逆に、作業半径を大きくする=遠いところへ物を移動するとなると吊れる重さはグッと減ります。
作業半径=10mで10トン前後、作業半径=20mでわずか4~5トン前後。
じゃ、タイヤが付いてんだから吊ったままで動いたらどうなの?
公道を走る時はタイヤで走りますが、一旦作業を始めるとアウトリガーと言ってサンダーバード2号の足のような物が出てきます。
重い荷物を扱うのでタイヤではふにゃふにゃします。
重い荷物に耐えるためにグッと足を広げて踏ん張る、みたいな感じでしょうか。
実際の現場でのクレーンの大きさのチョイス。
実際にクレーンを使う現場でどうやってクレーンの大きさを決めているかというと
例えば、作業半径10mで10トンの物を吊るならこの60トンクレーンで間に合います。
作業半径10mで20トンの物を吊るならもっと大きいクレーンが必要。
逆に作業半径10mで3トンの物を吊るならもっと小さいクレーンで済む。
といったように、作業半径と吊る物の重さの組合せでチョイスします。
編集後記
クレーンの能力の話、いかがでしたか。
いやー、クレーンってかっこいい!
大好きです。
ちなみにクレーンの値段って、ざっくり1トン100万円だって。
記事中のやつなら60トン×100万円=6,000万円。