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土木小ネタ:鋼矢板埋め込み方法。

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如何お過ごしですか? 3回連続10cmです。

 

当ブログにお越しいただきありがとうございます。

いつも本当にありがとうございます。

 

さて、土木小ネタシリーズ。

前回は仮締切の話をあげさせていただきました。

構造物を作る時に鋼矢板なる物を使ったら土を掘る範囲が最小限で済むよ、

支保工共々頑張ってるんだよって旨の記事です。 

www.sankairenzoku10cm.blue

その中で、鋼矢板を地面の中に埋め込んで壁を作る・・・というくだりがあります。

どうやって地面の中に鋼矢板を埋め込むのか?

今日は鋼矢板を埋め込む方法の話です。

 

 

矢板。 

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これを立てらせて地面に埋め込んで(めり込ませて)いくわけです。

矢板にも色々な種類があります。下の諸元は一般的な鋼矢板のものです。

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幅Wが40cm~60cmくらい、重さは1m当り60km~100kgくらいです。長さは掘る深さにも因りますが、掘る底面から所定の根入れを確保するので概ね10m前後です。

 

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ということは1枚が600kg~1000kg(=1トン)にもなるわけです。まして土に埋め込むには鋼矢板自体が断面・肉厚を持っているので、土の抵抗もあります。

人力で立てらせて埋め込むのは到底無理です。機械を使います。文明の利器です。

その文明の利器を二つほど紹介します。

 

バイブロハンマー。(いわば打ち込み工法)

下図にバイブロと書いているのが、そのバイブロハンマーというやつです。

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https://www.hokurikukiso.co.jp/results/金沢港浚渫土砂埋立護岸整備工事%ef%bc%88その%ef%bc%92%ef%bc%89/

 

クレーンにバイブロハンマを吊るして、その下に鋼矢板をセット=青いチャックで鋼矢板を掴みます。

 

上の写真と型式は違いますが、バイブロハンマの拡大図です。

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バイブロハンマはこのVX機自体が振動(電気式・油圧式)します。当然自重も数トンあります。その振動でぶるぶると鋼矢板を震わせて、かつ自重を利用して地面に埋め込んでいきます。

いわば、上からの力で下方に埋め込む(押し込む、ねじ込む)格好です。

ただし、こいつの欠点は振動・騒音です。

こんな家に近い所でぶるぶるやられたら、家も振動します→NG。

震えるので当然騒音も発生します→NG。

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サイレントパイラー。(圧入工法)

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このサイレントパイラーというやつは鋼矢板を圧入することによって、ほぼ無振動・無騒音を実現しています。

圧入(あつにゅう)とは、既製杭(工場生産された鋼杭やコンクリート杭など)を地盤中の所定の深度まで貫入し設置する既製杭設置方法の一つで、すでに地中に押し込まれた杭/矢板を数本つかみ、その引抜抵抗力を反力として次の杭を油圧による静荷重で地中に押し込んでいく工法です。

打撃や振動により既製杭を地盤中に設置する打込み方式では、必然的に振動や騒音といった建設公害を発生させます。また地盤を削孔して既製杭を設置する埋込み方式では、余分な排土や泥水が発生します。圧入は他の設置方法と比べ、周辺環境に及ぼす振動や騒音が小さく、地盤を乱さず、汚泥が発生しないという長所を有しています。

https://www.giken.com/ja/technology/principle/

 

サイレントパーラーを使った施工写真。

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http://www.daiwatechno.com/CCP019.html

 

矢板は一旦埋め込んだら周りは土ですので、全方向から土に押されて土と密着します。簡単には抜けません。

サイレントパイラーは先行埋め込みされた矢板が土と密着されている力を反力として利用します。

 

この動画がわかりやすいと思います。

注)最初の数枚を埋め込む時は反力がないので、カウンターウエイト(おもり)で自身を押さえています。最初の25秒ほどの所。


サイレントパイラー 初期圧入【技研製作所】

 

上からの力が無いとしたら鋼矢板を地面へ埋め込むには下へ押す力が必要、下へ押すには自身が浮上ろうとする、それを先行埋め込みされた矢板を掴むことで浮上ろうとするのを防止している。簡単な理屈なのですが、これを現実にしたことがすごい。

 

このサイレントパイラーの原理を考案したのは技研製作所というところです。

www.giken.comこのHP、土木マニアには面白いです。(土木マニアって居る?)

 

現在、市街地では無振動・無騒音のサイレントパイラーを使って鋼矢板を埋め込むのが主流となっています。 

 

編集後記。 

矢板の埋め込み方法、いかがでしたか? 

バイブロハンマーは近くに家などが無い(多少の振動・騒音が許される)場合は、サイレントパイラーよりも工事費が安いので有効です。

ただし、家などが近くにある場合は工事費が高いのですが無振動・無騒音のサイレントパイラーです。 

現在は場所に応じて使い分けているといった状況です。