如何お過ごしですか? 3回連続10cmです。
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地味な土木小ネタシリーズ。
今回は塩害対策の話です。
具体的には『鉄筋のかぶり』についてです。
マニアックで、かつ、分かりづらいと思います。
かぶりとは?
橋梁を横から見たところです。
⇔方向に車が通ります。
上部工とは車が通る所。
下部工はその上部工を支える基礎。
その下部工は概ねコンクリートで出来ています。
ただし、コンクリートは圧縮力(押しつぶされようとする力)には強く、
引張力(曲げられようとする力)には弱いという性質があります。
それを補うために引張力に強い鉄(=鉄筋)をコンクリートの中に配置、
鉄筋とコンクリートを合体させて、圧縮力はコンクリートで抵抗し、引張力は鉄筋で抵抗させます。
実際には図のように赤色の鉄筋を加工・組み立てて、その後にコンクリートを打設して形を作ります。
注1)鉄筋とはこれです。
注2)鉄筋を加工・組み立ててコンクリートを打設する直前のイメージ。
http://nishihara-t-k.jugem.jp/?eid=21
で、『鉄筋のかぶり』ですが図に示すように加工・組み立てされた鉄筋とコンクリート表面との距離です。
加工・組み立てされた鉄筋のまわりをコンクリートが覆っている格好です。
コンクリートが覆う厚さ=かぶりと考えていただいて良いと思います。
変な日本地図。
黒塗りつぶしとハッチと白色の3種類に区分けされています。
沖縄は黒塗りつぶしで地域区分はA。
北陸・東北・北海道の日本海側がハッチで地域区分がB。
その他の地域の海岸線付近は白で地域区分はC。
となっています。
さらに表のように各地域区分A・B・Cを海岸線からの距離によってS・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの4種類の対策区分に分けられています。
この対策区分のS・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは海に近い所は塩分がきついので気を付けてね!という度合です。
Sが気を付け度合いが一番厳しくⅠからⅢにいくほど緩くなっていきます。
例えば福井県の日本海側(=地域区分B)で海岸線から200mの地点だと対策区分はⅠ。
同じ福井県の日本海側(=地域区分B)でも海岸線から10mの地点だと対策区分はS。
同じ県でも、該当地点が海岸線からいくら離れているかによって、対策を変えなければいけないということです。
塩害対策と鉄筋のかぶり。
海岸線からの距離云々を言いましたが、要は鉄にとって塩分は敵なんです。
海の近くは鉄筋が錆びちゃうんです。
そのこと考えて作れよ!って話です。
そのことを考えることを『塩害対策』と言います。
塩害対策をする=具体的には先ほどの『鉄筋のかぶり』を大きくすることです。
鉄筋のまわりを覆うコンクリートの厚さを数センチ単位で大きくします。
かぶりを大きくすることで塩分の浸みこみ具合が小さくなって、錆びにくくなるという寸法です。
また対策区分Sは『鉄筋のかぶり』を大きくする、かつ、鉄筋を防錆塗装する等の処理をします。
倍率ドン!さらに倍!ってくらい鉄筋が錆びることに神経質になっています。
鉄筋が錆びちゃうとどうなんの?
多少の錆びではどうもならないと思いますが、錆が進行すると鉄筋が腐食したりします。
そしていつかは鉄筋としての機能を失ってしまって、冒頭に書いた鉄筋とコンクリートを合体させているのに、コンクリートだけの性質になってしまって構造物が壊れちゃう。
というのが最悪のシナリオです。
編集後記
『土木小ネタ:塩害対策と鉄筋のかぶり。』はいかがでしたか?
楽しんでいただけたでしょうか?
海に囲まれた日本ならではの対策ですね。
私にもう少し文章力があればもっと分かりやすくなるのに。。と思いつつも
まあ仕方ないかwwとも思いつつ書きました。
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