如何お過ごしですか? 3回連続10cmです。
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いつも本当にありがとうございます。
私の会社のお客さんに『なおさん』という方がおりました。
年は私より一回りくらい上でしょうか。大先輩です。
『なおさん』は愛媛県の方です。
私が愛媛へ出向いて打合せしたり、設計の現場を見に行ったりとういう形で一緒に仕事をさせていただいていました。
仕事には厳しくて、仕事を離れると優しくて、○○君、○○君(私のこと)と言ってよくかわいがってもらいました。
もう引退されていて今現在は会う事もないのですが、時々思い出します。
伊予長浜。
ある時、私が『なおさん』の会社まで行って『なおさん』の会社の車に乗せてもらって二人で現場に行った。
『なおさん』の会社の車なので(保険などの都合上)私は運転することが出来ない。
『なおさん』が運転していて、いきなり
「○○君、眠たい!」
と言い出した。
私が「運転変わるんはええですけど、会社にばれたらまずくないっすか?」というと、
「ばれてもええが、眠たいんじゃ!」と言って車を止めた。
たぶん長浜の工業団地のあたりだったと思う。
たかのこ温泉。
ある時、『なおさん』と一緒に現場に行った。
その時は現地待ち合わせ。
現場は昼過ぎに終わったが、
『なおさん』がいきなり私に「まだ帰らんでもええやろ?」と問う。
私は「ええですけど、何かあるんすか?」というと
「温泉行くか?」「はぁ。。」「わしの車の後ろついて来い。」
という事でたかのこ温泉と言う所に連れて行ってくれた。
二人で温泉に浸かりながら、『なおさん』は色々なことを話してくれた。
『なおさん』は「道後(温泉)もええけどの、わしはこっちの方が好きなんじゃ。」
と言っていた。
また「ここ寄ったことは誰にも言うなよ」とも言っていた。
温泉から上がってジュースを飲んで「ここで解散じゃ。」と言って、お土産を持たせてくれた。
宇和島。
ある時、『なおさん』と泊まりで宇和島へ行った。
ホテルにチェックインしてどこかに夕食を食べに行こうぜという事になり、
ふらふら歩いていると『ハギ(魚)あります』という看板みたいなのがあった。
http://www.onmakuosakana.jp/syun/aki/hagi.html
『なおさん』の
「ここじゃ、わし魚はハギが一番好きなんじゃ。楽しみじゃ。」
の一声でその店に入った。
突き出しとビールが出てきて、いざハギを注文すると店員が
これこれしかじかでハギがない
と言う。ちょっとイヤな展開。
『なおさん』は「表にハギありますゆーて書いとるやろ!」店員は平謝りするも『なおさん』は激怒。
『なおさん』と店員は二、三回同じやりとり。
私「なおさん、仕方ないっす。他の店いきましょう。」
『なおさん』も幾分収まった。
いつもは『なおさん』の奢りだけど、この状況下では私がサラッと支払いした方がいいと思い、私は先に席を立ってお金を払おうとした。
『なおさん』は
「金や払わんでええ、お前(私のこと)はさっさと(店を)出とけ。」
私「。。はい。」と言って店を出る。
『なおさん』はしばらく店から出てこなかった。その間何が起こっていたのかは分からない。
店から出てきた『なおさん』は何もしゃべらなかったが、いつもの『なおさん』だった。
二人は次の店を探すべくまたふらふらと歩きだした。無言で。
十夜ヶ橋。
ある時、『なおさん』と大洲へ行った。
現場へ行く前に十夜ヶ橋と言う所へ連れて行ってくれた。
橋の下にはお地蔵さんがある。
『なおさん』はお地蔵さまに手を合わせて「お前も拝め。」二人で拝んだ。
『なおさん』はお地蔵さまを見ながらこう言った。
空海が治水で全国行脚しよるとき、行ったところで宿やご飯を用意してくれよった。ただここ大洲に来た時だけは誰もそんなことせんかって空海はここ(橋の下)で野宿したんじゃ。大洲は水害が多いやろ。それは空海をないがしろにしたけんじゃ。人間誰にでもきちんと接しないとないかんぞ。
大洲は肱川という暴れ川があって実際に水害が多い地域。
空海の話は諸説あるのでこのことが本当かどうかは別にして、この言葉は今も私の中で生きている。
編集後記
『なおさん』との思い出話はいかがでしたか?
いや、この記事書いていてもっと色々と思い出してしんみりとなってしまいました。
『なおさん』ほんまにいい人、いい先輩やったです。