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土木小ネタ:トラックやトレーラーの大きさと土木の関係。

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如何お過ごしですか? 3回連続10cmです。

当ブログにお越しいただきありがとうございます。

いつも本当にありがとうございます。

 

地味な土木小ネタシリーズ。

今回はトラックやトレーラーの大きさと土木の関係についてです。

 

 

トラック・トレーラー。

トラックやトレーラー、工場からビルなどの建設現場まで大きくて重たい荷物を積んでビューン!って走って行きますよね。
カッコいいですねー。

 

これはいすゞのトラック『ギガ』です。

f:id:sankairenzoku10cm:20190602135204j:plain

https://www.isuzu.co.jp/press/2015/10_28giga.html

 

下の写真は、しんかい2000を載せている赤線で囲ったやつがトレーラーです。セミトレーラーと言います。

f:id:sankairenzoku10cm:20190602143147j:plain

https://www.gold-star.co.jp/30car/3050airsuspension_semitrailer/3050airsuspension_trailer01.html

 

そのカッコいいトラックやトレーラーってどうやってボディーの大きさなどを決めているのでしょうか?

トラックやトレーラーのボディーの大きさと土木って全く関係ないように思われますが、それがそうでもないんです。


ボディーの大きさなどを決める要因のうち土木に関係することを挙げてみます。


①タイヤの接地圧。

普通自動車なら通常タイヤは4個ですが、でっかいトラックってタイヤがたくさんついていますよね。上の写真のいすゞのトラックはたぶん12個、トレーラーに至っては20個以上(正確にはいくつか分からない)もタイヤが付いています。

ボディーが大きくなればなるほど、大きくて重たい荷物を積むことが出来ます。それに従ってタイヤの数も増えます。

これは地面(=道路)への接地圧を減らすためです。

普通自動車に人が載って2tだとすると1個のタイヤにかかる荷重は0.5tです。
トラックに10tの荷物を積むとトラック自身の重さも含めると20t以上になります。
タイヤ4個では1個のタイヤにかかる荷重は5.0tと大きくなります。

タイヤの数を増やして1個のタイヤにかかる荷重を減らしているわけです。

タイヤ自体にも限界があるだろうし、接地圧が大きくなりすぎると道路も壊れます。
道路が壊れないように規定された接地圧以内になるように、重さに対してタイヤの数を増減させているということです。

 

②建築限界。

道路は道路構造令という法令に則って設計します。

ja.wikipedia.org
この法令では道路の種類によって道路の車線幅、車線数、カーブの半径などが決められています。

ざっくりいくと、高速道路や国道は重要な道で車もいっぱい通るから1車線の幅は3.5mで2車線以上作って、かつ急カーブはダメ。市町村道なら車の量が少ないので1車線で多少の急カーブも許そうみたいな感じ(これが全てではありませんが)。

ちなみに道路は災害時の緊急物資輸送のためのものでもあるので、高速道路やメインの国道などは県道・市町村道より格が上(=壊れにくく、走りやすい)です。

 

また、この法令にはトンネル内の空間や歩道橋の下の空間=車が通れる空間が定められています。

 

トンネル内の空間↓↓

f:id:sankairenzoku10cm:20190621145249j:plain




歩道橋の下の空間↓↓

f:id:sankairenzoku10cm:20190602140201j:plain


トンネルの図は2車線、歩道橋の図は4車線ですが、赤いラインの1枠の内側が1台の車が通れる空間です。
この空間のことを建築限界と言います。この建築限界が結構ネックになります。

 

普通自動車でもトラックでもトレーラーでも基本的に、この空間しか通ることが出来ません。
つまりトラックやトレーラーなら荷物を積んだ状態で、この空間を通れるだけの小ささが必要なのです。

 

ボディの強度的には1000t積めるトラックを作ることは可能だと思いますが、大きくなりすぎて1台通るのに3車線も必要だとか、トンネルを通過しようと思ってもトンネルに入ることすら出来ないと言う状況になり意味がありません。


まとめると。 

①重さとタイヤの数で決まる接地圧
②決められた通行スペース:建築限界
が車の大きさに影響するという事です。

当然このことは自動車製造メーカーも知っていて、これらから逸脱しない範囲で車を作っています。

 

編集後記 

トラックやトレーラーと土木の関係、いかがでしたか?

普通自動車でもバスでも道路の上を通る車は全て同じ理屈ですが、文中は比較的大きくてイメージしやすいトラック・トレーラーを例にとりました。

世の中色々な事が絡んで成り立っているんです。

 

最後になりましたが、いすゞのトラックのCMソングを聞きながらお別れしましょう。 

(4分8秒)名曲です。


いすゞのトラック 歌詞付き