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土木小ネタ:伸縮装置。

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如何お過ごしですか? 3回連続10cmです。

当ブログにお越しいただきありがとうございます。

いつも本当にありがとうございます。

 

地味な土木小ネタシリーズ。

今回は橋のパーツのひとつである『伸縮装置(しんしゅくそうち)』という物の話です。

 

 

 

 

橋げたと基礎。

下図は橋を横から見た図です。

グレーの基礎が3個地面に埋まっています。

その上にオレンジとブルーの橋げたが架っています。

f:id:sankairenzoku10cm:20200909151448j:plain

https://peraichi.com/landing_pages/view/jointnavi

 

①②:両端のグレーの基礎と橋げたは繋がっていません。

③中央部分:オレンジの橋げたとブルーの橋げたも繋がっていません。

 

つまり、オレンジの橋げたとブルーの橋げたはグレーの基礎の上(実際には支承の上に)に載っているだけです。

 

f:id:sankairenzoku10cm:20200909151526j:plain

①を拡大しました。

 

基礎と橋げたの間(あるいは橋げたと橋げたの間)にはすき間(緑色)があります。

そのすき間はわざと作っています。

そのすき間に設置されるのが伸縮装置です。

 

 

すき間(遊間)の役割。 

橋げたは鉄やコンクリートで出来ていて、温度上昇や温度下降や乾燥収縮などで伸び縮みします。

基礎はほぼ土に埋まっているので温度の影響を受けにくく常にはほとんど動きません。

 

つまり、橋げたと基礎(あるいは橋げたと橋げた)がくっついていると、橋げたが伸びた分双方を押し合って悪さします。


下図は橋げたが基礎を押して基礎が壊れたイメージ図です。

f:id:sankairenzoku10cm:20200909151752j:plain


これを避けるために、あらかじめ伸び代を計算してその分すき間を空けています。

すき間のことを遊間(ゆうかん)と言います。

橋げたが長くなればなるほど大きなすき間が必要になります。

通常この遊間は5cm~50cmほどですが、明石海峡大橋のような大規模な橋では遊間が数mも必要だそうです。

 

 

伸縮装置の役割。 

すき間が必要なのは分かっていただけたと思いますが、すき間が空いたままだとどうでしょう。

橋を通行する車や人などがすき間に落下します。

それを防ぐ(=車や人などの通行を確保する)のが伸縮装置の役割です。

簡単に言うとすき間の蓋ですね。 

 

 

伸縮装置の構造。 

実際には下図のような構造になっています。

f:id:sankairenzoku10cm:20200909151856j:plain

http://www.sho-bond.co.jp/method/057.html

 

すき間の蓋と言いましたが、道路ですので蓋がポンポン取れると危険です。

基礎と橋げたに固定して蓋が取れないようにした上で、ギザギザ部分の空間で橋げたの伸び縮みを吸収するイメージです。 

 

 

実際の伸縮装置。 

f:id:sankairenzoku10cm:20200909151933j:plain

これはとある橋の実際の伸縮装置です。

丸印が伸縮装置です。

通常、車道・歩道も含めて橋の端から端まで設置されます。

 

道路を走っていて、車が橋にさしかかる時『ガタッ!』て音がするでしょ。

アレです。

 

 

編集後記 

伸縮装置はいかがでしたか?

楽しんでいただけましたでしょうか?

 

車が橋にさしかかる時『ガタッ!』て音がしたら 

『伸縮装置だー!』と叫んでみてください。 

ドライブも一段と楽しくなると思います。