如何お過ごしですか? 3回連続10cmです。
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地味な土木小ネタシリーズ。
今回は斜張橋と吊り橋の違いの話です。
斜張橋。
斜張橋は2本の主塔と主塔に直結された斜め方向のケーブルで橋桁を支持する構造。
写真は多々羅大橋。
中央支間=主塔間隔=890m。中央支間は国内最長。世界第5位。建設費=約1,400億円。
吊り橋。
吊り橋は2本の主塔とそれに渡される2組のメインケーブルを持ち、そのケーブルから鉛直に垂らされたハンガーロープで桁を支持する構造です。
写真は明石海峡大橋。
中央支間=主塔間隔=1991m。中央支間は世界最長。建設費=約5,000億円。
両者の構造はよく似ている。
斜張橋は主塔と橋桁をケーブルで直結している構造に対して、吊り橋は主塔間に渡されたメインケーブルから垂れているハンガーで橋桁を吊るような構造になっています。
この模式図はhttps://www.sugitec.net/7584/から拝借しました。ありがとうございます。
しかしながら、どちらもケーブルの張力を利用した吊り構造という点では同じです。
力の流れもよく似ています。力の流れはどちらも単純です。
斜張橋は橋桁(=青い部分)の重量をケーブルを介して主塔に伝え、それを主塔が地盤にまで伝えます。
一方、吊り橋は橋桁の重量を一旦ハンガーで受け、それをメインケーブルを介して主塔に伝え、それを主塔が地盤にまで伝えます。
よく似ていると言ったのは、力の流れ的にどちらも橋桁の重量をケーブルや主塔を介して地盤に伝えるという所です。
両者の決定的な違い。
上表は分かりづらいかもわかりませんが、両者の標準的な支間=主塔間隔の範囲を示しています。
主塔間隔とはこれです。
斜張橋の主塔間隔は標準的には130m~500m弱。
ただし多々羅大橋は890m、世界最長のルースキー島橋は1,104mです。
しかし、いずれにしても主塔間隔は1,000m程度が限界でしょう。
それに比べ吊り橋の主塔間隔は150m~2,000m(明石海峡大橋は1,991m)。
最長で約2倍の主塔間隔とすることが出来ます。
これが決定的な違いだと言えます。
斜張橋や吊り橋はけっこう派手で映えるので景観を重視するということもその要素ですが、橋の下が海などでどうしても船舶の航路等を確保しなければならない、つまり主塔間隔を大きくしなければならない場合があります。
構造特性的にはその大きくしなければならない度合いによって使い分けるということが言えます。
編集後記
『斜張橋と吊り橋の違い。』はいかがでしたか?
楽しんでいただけましたでしょうか?
斜張橋や吊り橋を見たら、あいつがこんな事言ってたなーと思いだしていただけたら嬉しいです。
もちろん私はこんな大規模な橋なんか設計したことありませんけどね。
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