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地味な土木小ネタシリーズ。
今日はRC構造物で気を使わなけらばいけない『かぶり』の話です。
『かぶり』の前にRC構造物って何?
RCとはReinforced Concrete(リインフォースト・コンクリート)の略で、Reinforced(リインフォースト)は補強・強化と言う意味です。
つまり、RC構造物=鉄筋によって補強(強化)されたコンクリートの構造物です。
https://www.homemate.co.jp/guide/navi/knowledge/mansion/002.html
簡単に説明すると、コンクリートは圧縮力には強いけど引張力に弱く、鉄筋は引張力に強い。コンクリートと鉄筋を組合わせることで圧縮にも引張にも耐えうる、変形にも強く耐久性もある構造物にしようと言う寸法です。
また、よく似た構造でSRCと言うのがありますが、SRCとはSteel Reinforced Concrete (スティール・リインフォースト・コンクリート)の略で、RCの前にS(スティール=鉄骨)がくっついています。すなわち、SRC構造物とは鉄筋の内側に鉄骨が配置されたコンクリート構造物です。
https://www.homemate.co.jp/guide/navi/knowledge/mansion/002.html
上記のRC構造物に更に鉄骨を配置して、RC構造物の性能も求め、さらに鉄骨のしなやかさも求めようという欲張りなやつです。
『かぶり』とは?
RCもSRCも同じなんですが、コンクリートの仕上がり面近くに鉄筋が配置されています。
『かぶり』とは、コンクリート表面から鉄筋までの距離。
言葉を変えると、コンクリート仕上がり面と鉄筋の間の隙間です。
最終的にはこの隙間にもコンクリートを充填させて構造物が出来上がります。
『かぶり』ってなんで必要なの?
上記に書いたように
コンクリートは圧縮力には強いけど引張力に弱く、鉄筋は引張力に強い。コンクリートと鉄筋を組合わせることで圧縮にも引張にも耐えうる、変形にも強く耐久性もある構造物にする。
つまり、ほとんどのコンクリートの構造物の中には鉄筋が配置されています。コンクリートにとって鉄筋は無くてはならない存在なんです。
『かぶり』はその鉄筋を守るためにあります。
専門書には以下のようなことが書かれています。
ここで一番大事なのはやっぱり鉄筋の腐食を防ぐということでしょう。
コンクリートは固いっちゃ固いんですが、水分が表面から少しづつ内部へと沁み込んでいきます。
鉄筋(=鉄)にとって水分は大敵です。
錆びてしまいますから。
一部分が少し錆びるだけならアレですが、錆が進行して鉄筋として役割を失ってしまう可能性もあります。
せっかくコンクリートの中に鉄筋を配置しているのに鉄筋が役に立たなくなると本来のRC構造物としての機能を発揮できません。
『かぶり』があることによって沁み込む水分が鉄筋に到達するまでの時間が長くなります。
イマドキの構造物の寿命は100年と考えられているので、構造物の中にある鉄筋も100年間は健全でなくてはならないんです。
また海から近い構造物の場合、塩分を含んだ海水の方が鉄筋(=鉄)にとっては難敵なので『かぶり』の値を大きくするよう規定されています。
編集後記
『かぶり』はいかがでしたか?
楽しんでいただけましたか?
『かぶり』はコンクリート中の鉄筋を守っています。
すなわち、鉄筋を守るということは構造物自体をも守っていると言えます。
『かぶり』って大事なやつなんです。
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